麻布十番の店主が語る 十番ばなし #030 「浪花家総本店」 神戸 将守さん | 麻布十番商店街

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麻布十番の店主が語る 十番ばなし #030 「浪花家総本店」 神戸 将守さん

東京を代表するたい焼き店のひとつと言えばこの麻布十番にある浪花家総本店。ロックバンド・エアロスミスのメンバーもファンを公言しているなど、今や海外でも知られる存在です。その浪花家の4代目である神戸将守さんに浪花家の歴史と今のこと、街のことをお聞きしました。

 

 

 

インパクトを与え続ける味を守っていきたい

 

 

―今や海外でも知られるたい焼き店、浪花家さんですが、創業はいつですか

 

神戸:明治42年、お祖父さん兄弟が神戸から来て、日本橋と九段で始めました。そこから都内に150軒の支店を出したそうです。麻布十番には昭和23年に開店しました。当時は父の代で、麻布十番は永坂更科の街として知られ、おそばを食べに来て、たい焼きを購入して帰る人が多かったんですね。

 

 

 

―では将守さんがお店を継いだ頃は、どんな時代だったのでしょう

 

神戸:工学部を出て、ソフトウェアの会社で社員になっていました。30歳の時に父がケガをして店に出るようになり、たい焼きはすぐ焼けると思っていたら、これが意外と大変でしたね。親父は昔気質の職人で、作り方を教えてくれない。店に出て僕が最初にやった事は。親父の“かん”を数字に置き換えることでした。砂糖を何グラム、塩を何グラム、この工程は何分かかる、というようにして、若い人にも作れるようにして、人を雇ったんです。でも毎日焼いて親父と同じ味が出せるまでに3年位かかりました。そこから30年です。

 

 

―工学部出身の将守さんらしいですね。4代目になってから変わったのはどんなとですか

 

神戸:品種改良などであくが出なくなり、小豆の味が淡泊になっていました。たい焼きは野性味あふれるあんこが本来の味です。そこで十勝平野の地図を買って、どの辺りで獲れた小豆がどんな味がするかを思い描いて、何カ所か味を比べ、今の小豆に決めました。僕自身が覚えている昔のあんこの味を再現したんです。

 

 

―計算されて完成した味だから長く愛されているんですね。長いお店の歴史で印象に残っているのは?

 

神戸:親父をモデルにした「およげたいやき君」の歌がミリオンヒットになった頃は、今よりももっとすごい数の人が来ました。開店前から外にお客様が並んで…。昔の流行は今よりもっと大きくて、たい焼き屋さんも全国に増えて。すごかったです。

 

 

 

 

 

 

 

たい焼きの存在をここまで押し上げた親父に感謝です

 

―将守さん自身が店頭で焼く姿も浪花家の名物ですよね

 

神戸:たい焼きを焼くの好きなんですよ。仕事も楽しいし、遊ぶのも好きだし、どちらも一生懸命にやる性質なんです。一生懸命やれば面白くないことなんてないです。
釣りに行ったり、自転車乗ったり、乗るだけじゃなく、70年代くらいのパーツを集めて自転車を組み立てるのも趣味で。釣りのリールも竿も道具に凝ってコレクションしてるんですよ。

 

 

 

―遊びも仕事も徹底しているんですね。そんな将守さんを育てた麻布十番という街への想いを聞かせてください

 

もし親父が麻布十番の街でなく、下町で営んでいたら、浪花家は埋もれてしまって、今のように知られずに、店も続いていなかったでしょうね。
幼稚園の時は目黒区に住んでいて、麻布に引っ越して以来、ずっと会いたかった友達がいたんです。それが何十年ぶりに向うが訪ねてきてくれました。港区麻布十番という街で店をやっていたから会うことができたんですよね。そしてたい焼きの存在をここまでにしてくれた親父には感謝しています。

 

 

 

―最後にこれからの浪花家の目標を教えてください

 

神戸:こんなお客様がいました。私が継ぐ前、今はからし色のしおりが緑だったんですね。一度食べた浪花家のたい焼きの味が忘れられず、30年それを保管していた女性が、最近それを持っていらしたんです。嬉しいですよねやっぱり。そんなインパクトのある味を継続して与え続けたい。それには現状を維持することだと思います。これが簡単ではないんですよね。
それから先は、跡継ぎがいないので、いつ店をやめるかはわかりません。もし誰か、「店をやりたい」という人が現れればね、そういう気概のある人が出てくればいいですけど。

 

浪花家総本店

 

浪花家総本店

一枚ずつ焼き上げるたい焼きは180円(税込)であんこのみ。夏はかき氷(400円~)も大人気で、行列ができる日も多い。もうひとつの人気商品は焼きそば(500円)。毎年、台湾から食べに来るというお客様もいるほどこちらも支持されている。すべて手作りで無添加なので、子供や高齢者も安心して食べられるのも人気の理由の一つ。たい焼き最中は、地方発送も可能。

 

住所:港区麻布十番1-8-14
電話:03-3583-4975
営業:11:00〜19:00
火曜・第3水曜休

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