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麻布十番について
DISCOVER JUBAN 麻布十番再発見!⑭
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 昔 麻布十番にはアーケードがあった
 街の変化についての記憶は意外とあやふやなものだと思いませんか。ついこの間まで営業していたお店が、いつの間にか閉店し別のお店になっていることがあっても、それほど奇異に感じないことがよくあります。以前ここにあったお店、何だったろうと考えてなかなか思い出せないこともよくあります。先月号に書いたここ十年余で閉店したお店は大正以前創業の古いお店ばかりでしたが、今日のように変遷のはげしい時代では一年も経たずに閉店するお店も多く、店名を覚える間もなく次の新しいお店が開店するというようなことも多々みられます。一軒また一軒と少しずつ少しずつ変わりながらの、いわば静かな街の変革がある一方で、ある時一度に大きく変わる動的な変革もあります。
 戦後最大の変革は何と言っても平成12年(2000)の地下鉄2路線、南北線、大江戸線の開通だと思います。地下鉄建設までの経緯は後述として、それ以前の大きな変遷のひとつがアーケードの建設と撤去ではないでしょうか。今、麻布十番商店街にアーケードがあったというと驚かれるようですが、商店街のアーケードは東京タワーが完成した翌年、昭和34年(1959)に完成しています。残念ながら商店街全地域ではなく、十番通り雑式通りの一部で、また、車道をまたぐ全蓋のアーケードでもありませんでした。それでも雨の日の買い物に便利とよろこばれましたが、完成から20年も過ぎた頃からでしょうか、店舗のビル化、高層化がすすむとアーケードの改修や存続が問題になってきました。全国各地の同じような問題を抱えた商店街を見学し、何年にもわたって討論を重ねてきました。最初にアーケードを撤去したのは長野県松本市の商店街だったでしょうか、東京でも人形町商店街に続いて神田すずらん通りの商店街がアーケードを撤去したのです。撤去したばかりの商店街を見学に行くと、今までアーケードで隠されていた二階部分やクーラーの屋外機等々物置小屋を見ているような感じで、撤去に二の足を踏む思いもありました。それでも、雨の日ばかりではない、植栽した緑豊かな街並みと見上げる青空、高層化されるであろう商店街の近代化を進めるためにアーケードの撤去が決定されたのは平成3年(1991)でした。これに先立ち昭和58年(1983)には東京都モデル商店街に指定され、その第一期工事としてパティオ十番が昭和61年(1986)に完成しています。アーケードの撤去はこのモデル商店街指定を受けて商店街近代化への布石となり、アーケード撤去と併せてコンクリートの東電柱の撤去、電線の地下埋設等もすすめられることになりました。こうして商店街近代化の工事は、アーケードを撤去することからはじまり、平成5年(1993)に先ずパティオ通りの近代化工事が完成することになったのです。
(寄稿 ローリエヤマモト 山本仁壽)
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