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麻布十番について
DISCOVER JUBAN 麻布十番再発見!⑱
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赤い靴の女の子「きみちゃん」 ─1─
「メルヘンの街 麻布十番。赤い靴はいてた女の子は、今、この街に眠っています」、こんな書き出しで「きみちゃん」をはじめて紹介したのは、昭和62年(1987)10月号の「十番だより」でした。当時、「十番だより」の編集を担当していた私は、十番にも「きみちゃんの像」を建てようと毎月のようにきみちゃんのことを記事にしていました。「十番のきみちゃん」と揶揄されながら書き続けること2年、港区の協力を得て「きみちゃんの像」がパティオ十番に出来たのは平成元年(1989)2月28日でした。その日は、雨の降る火曜日、商店の多くが休業で人通りの少ない日でした。夕方、きみちゃんの足もとに置かれていた18円、それが世界の恵まれない子どもたちのためのチャリティーのはじまりでした。それから20年、1円5円10円と小さなお金の累計はこの春1116万円にもなり、ユニセフを通して世界の子どもたちのために役立っています。
 先月、北海道函館市に新しく「きみちゃんの像」が完成除幕されました。六つ目のきみちゃんの像です。はじめての赤い靴の女の子の像は、「♪横浜のはとばから船にのって、異人さんにつれられて行っちゃった」という歌詞のイメージから横浜市の山下公園に建てられました。「赤い靴を愛する市民の会」(代表松永春さん)の苦労が実を結んだのは昭和54年(1979)11月、作者は山本正道さんでした。次いで静岡市日本平に昭和61年(1986)4月、高橋剛さん作の「母子像」が、そして麻布十番の「きみちゃん」は平成元年(1989)2月、佐々木 至さん作です。
 平成3年(1991)10月には北海道留寿都村の赤い靴公園に米坂ヒデノリさん作の「母思像」が、平成19年(2007)11月、小樽市の運河公園にナカムラアリさん作「赤い靴 親子の像」が建てられました。8月7日に除幕された六つ目のきみちゃんの像は、函館市の西波止場近くの広場に建てられた小寺真知子さん作「赤い靴の少女像」です。それぞれの地に縁あって、親子の愛の絆の深さと大切さを伝え、世界の子どもたちの幸せを願う思いがこめられています。
 また、先月2日にはハート出版から新しいきみちゃんの本が出版されました。小学校中学年以上向きに書かれたドキュメンタル童話、綾野まさる作「赤いくつはいてた女の子」です。この本にはきみちゃんのお話と一緒に麻布十番のチャリティーのこと、私の拙い詩ですが「十八円の詩」も紹介されています。
 
はじめは 十八円でした
だれかがあたたかな心を 託していきました
愛の心がひろがって 五十八円になったとき
だれかがガラスの器をおきました
一週間たつと 七五五円になっていました
いたずらに十円とって
自転車で逃げた男の子がいました
つぎの日に 二十円おいて
ゴメン といって走っていきました
 
あたたかな日曜日
親子づれが「きみちゃん」をみていました
女の子が「お母さん 十円」
「お父さんも・・・」
愛の輪がひろがって
きみちゃんの目が光って見えました
きみちゃん 君は もう ひとりじゃない
みんなが 君を見つめている
みんなが 君を・・・
 
乳母車のお母さんが
幸せをかみしめるかのように
赤ちゃんを見ながら
いくらかを置いて行きました
暖かな春の陽のひかりの中で
 
はじめは 十八円でした
(寄稿 ローリエヤマモト 山本仁壽)
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