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十番ばなし

麻布十番の店主が語る 十番ばなし#038

 

麻布十番の街歩きを楽しむ外国からの旅行者たちが、ふと視線を向けてしまうような和テイストのTシャツや小物類などが店頭に数々飾られているコットンフィールド。雑貨屋さんかと思いきや、アパレルOEM、販促品やノベルティグッズなどをメインに企画・製作する会社です。ゼミやサークルのチームTシャツから大掛かりな音楽ライブのイベントグッズまで、オリジナルのグッズを作りたい時に、さまざまなアイデアで対応してくれます。

 

 

 

 

— 開店当初から販促品関連を扱っていたんですか?

 

お店を構えて約40年になりますが、最初はジーンズショップだったんです。事業を始めたいと考えた時に、車でこの辺りをよく通っていたこともあって、自然に麻布十番が場所の候補にあがりました。まだ麻布十番に地下鉄が通っていなくて、商店街の近隣に駅がなかった頃のことです。ただ「もうすぐ地下鉄が通るらしい」という話を耳にはしていたんですけれど、それから駅ができるまでずいぶん時間がかかりましたね(笑)。元々、夫がジーンズメーカーに勤めていたのでジーンズショップを開いたんですが、岡山のジーンズメーカーの「ベティスミス」とか、「エドウィン」「カクタス」「ビッグジョン」といった日本製のジーンズを取り扱っていました。

 

 

― どんなお客さまが多かったんですか。

 

麻布十番だからといって、芸能人が多かったわけじゃないです(笑)。周囲にいくつも有名な飲食店があるので、食事をしに来たついでに来店してくださるような人もいたように思います。店の斜め前にある叙々苑さんにはいつも長い行列ができていたので、その待ち時間にジーンズを見に来て買ってくださるような方もいらっしゃいましたね。
私も一生懸命勉強して「ジーンズソムリエ」の資格を取得しました。当時はジーンズのリペア なども請け負っていてよく注文が入ったものです。ただ申し訳ありませんが、現在はジーンズショップではないので承っていません。

 

 

 

 

— 今の業態になられたのはどうしてですか。

 

20年以上前になるでしょうか、アパレル業界に大きな変化が訪れて、私たちも変わらざるを得なかったところがあります。また私が、商品を販売する側からつくる側になりたいと思ったタイミングと合致したこともあって、今のスタイルに変わりました。現在は、アパレルOEM、企業などの販促品や、音楽ライブなどで販売するオリジナルグッズ、ほかには麻布十番にたくさんある飲食店のスタッフが着用するユニフォームや、学生さんが学園祭などで着るチームTシャツなど、お客さまのご要望を伺いながらグッズをはじめとするさまざまな商品の企画、製作をしています。

 

 

 

― 最近注力している商品にはどんなものがありますか?

 

ひとつは「麻布十番Tシャツ SEASONING」でしょうか。1年前くらいから売り出していますが、江戸文字で「麻布十番」と書かれた中に、今年の干支の龍や花などの自然、ハンバーガーなどの料理といったさまざまなものをあしらっています。オーストラリア大使館のお客様に提案し、喜んで頂けましたのが、コアラとユーカリの葉の麻布十番オーストラリアです。名称につけた「SEASONING」というのは、料理に使われる調味料のことですが「味を出す、味付けする」という意味合いで、このTシャツを着る人たちの個性が表現できればと思っています。またこのデザインを布に貼れるシールに加工した「麻布十番SEASONINGクロスシール」と折り鶴のマグネット「麻布十番オリジナルORIZURU」は手頃な価格なのと、絶妙な和テイストが外国人観光客にウケているように感じています。

 

 

 

― 宇野亞喜良先生のイラストが目をひきますね。

 

はい。宇野亞喜良先生のイラストが大好きで、過去に制作された納涼Tシャツも大切に飾っています。
宇野先生は、1999年から毎年、納涼まつりのキービジュアルを手掛けてくださっており、麻布十番商店街にとって大変ご縁の深い方です。
私は長い間、毎年目にしてきた納涼Tシャツや納涼フラッグを自分でも作ってみたいと願ってきました。
6年前に商店街からご依頼をいただき、念願だった納涼Tシャツを制作する機会を得ることができました。
宇野先生のお仕事をさせて頂いたことを、とても光栄に感じています。

 

 

 

 

 

 

― お仕事のモチベーションはどんなところにありますか。

 

お客さまは代金を支払うのに、商品を受け取って「ありがとう」って嬉しそうな顔をしてくださる。それがとっても嬉しくてモチベーションにつながりますね。ですから、幸せな時を演出するようなもの、例えば、招待客一人ひとりのお名前をプリントした披露宴のテーブルに置くナプキンだったり、引き出物として新郎新婦の趣味をイメージしたデザイン柄のトートバッグを作ったり、お祝いの場面で、商品を通じて、関係者のみなさんに喜んでいただけるようなものを提案して製品化するのも“幸せの相乗効果”みたいなものがあるので、とても楽しいなと思っています。

 

 

 

 

 

 

― 今後、どんなお店にしていきたいですか。

 

皆様に喜んでいただけることをしていきたいですね。お客さまには予算というしばりがあることが多いので、ご希望を全て通すことができないこともあります。何を優先したいのか、本当はどうしたいのかなどをうまくお客さまから引き出しながら、予算の範囲の中で、希望するものにできるだけ近づけられる方法を提案できたらと思っています。その結果、完成したものを手にして喜んでいただけたら、とても嬉しいですね。

 

 

― 麻布十番商店街の未来について、どのようにお考えですか。

 

やはり次の世代に繋がることをしていきたいなと思っています。麻布十番商店街がずっと残っていってほしいので、そのために私にできるのは、麻布十番の魅力をグッズで伝えること。そういう商品の提案をしながら、グッズづくりをもう少し続けていきたいと思っています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コットンフィールド

Tシャツなどのアパレル商品や雑貨などのオリジナル販促品、ノベルティー製作、OEM生産などを行う。「オリジナルグッズを作りたいけれどどうしたらいいかわからない」という人でも気軽に相談できる明るい雰囲気と、プロらしい目線からのデザインのアドバイスや提案力があるのが魅力。

 

住所:東京都港区麻布十番2-21-14-105

電話:03-3457-7074

営業時間:13:00〜20:00

定休日:不定休

 

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