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30万人の熱い夏を支える!麻布十番納涼まつりの影の立役者たち

 

 

納涼まつり統括責任者・平野一夫理事長
夜店部・須崎雅紀副理事長
警備責任者・岩崎信彦副理事長、酒巻綾理事、中村大輔理事
清掃責任者・横溝純一理事、菊地俊一郎理事
ステージ10BAN責任者・手塚茂理事
装飾宣伝部・中村映子理事
交通部・酒井紀行理事

 

2日間で約30万人が訪れる、麻布十番商店街の夏の風物詩「納涼まつり」。今年もその賑わいは商店街を埋め尽くし、笑顔と熱気に包まれたまま幕を閉じました。しかし、この華やかな舞台の裏には、準備から当日の運営、さらには片付けに至るまで、ひたむきに祭りを支え続けた多くの人々の姿があります。彼らの努力こそが、今年の盛況をつくり上げた原動力でした。そこで今回は、表には見えにくいけれども欠かすことのできない役割を担った人々に、お話を伺いました。

半年以上前から始まった準備の舞台裏

華やかな納涼まつりを支えるのは、目に見えない長い準備の時間です。実は、このお祭りの準備は半年以上前から始まります。納涼まつりのフラッグ制作を担当する宣伝装飾部、ステージ企画を担うステージ10-BANG、ゴミステーションや集積場の設置場所を決めるゴミ・清掃担当、当日の警備を行う警備担当、そして夜店の調整を行う夜店部など、さまざまな人々の努力が重なって、初めて盛大なお祭りが実現するのです。

まつりの”顔”をつくる。宣伝装飾部のデザイン制作の裏側

装飾宣伝部・中村映子理事(以下、中村(映)理事)

「納涼まつりのフラッグは例年、原画デザインを宇野亞喜良先生にお願いしています。先生の意図や言葉を確実にデザイナーへ伝え、円滑に制作を進めることが私たちの仕事です」

そう話すのは、中村(映)理事。1999年から宇野亞喜良先生が手掛ける納涼まつりのデザインは、原画をもとにフラッグ・ポスター・うちわ・Tシャツの4種類に展開されます。その制作を担うのが宣伝装飾部で、毎年、納涼まつりの“顔”となる大切なデザインを扱っています。

中村(映)理事「宇野亞喜良先生との打ち合わせでは、その都度、新たなひらめきやアイデアが生まれます。私たちは、それを正確にデザイナーに伝えることを意識しています。宣伝装飾部にとって嬉しい瞬間は、完成したデザインを先生にお渡しし、喜んでいただけたときです」

最終決定の瞬間は、毎年、心に残るひとときだといいます。

中村(映)理事「今年も先生が素敵なイラストを手掛けてくださり、多くの方が作品に触れて幸せな気持ちになられると思うと胸がいっぱいです。来年も、宇野先生の素敵なイラスト制作に携われることを心から楽しみにしています」

メインステージの出演者を厳選。ステージ10-BANG

 

麻布十番納涼まつりでは毎年メインステージが設けられ、歌や演奏、踊りなど多彩なパフォーマンスが披露されます。その出演者の選考などを担っているのが、ステージ10-BANGです。終日続くステージを来場者により楽しんでもらえるよう編成し、トラブルや事故なく運営する方法も考えるのも、彼らに課された大切な役割です。ステージ10-BANGの手塚茂理事は、次のように語ります。

 

ステージ・手塚茂理事(以下、手塚理事)

「出演者の選考は毎年本当に大変です。多くの方々から申し込みや推薦をいただくので、2日間を通したステージ全体のバランスを見ながら決めていきます。SNSでも“出演者の質が高い”という声をよくいただきますので、皆さんの期待に応えられるよう、慎重に選んでいます」

 

パティオ十番のステージは多くの来場者が足を止める、まつりの大きな見どころのひとつです。そのクオリティを支えているのがステージ10-BANGです。

 

手塚理事「麻布十番納涼まつりは毎年たくさんの方が訪れてくださり、おかげさまで大きなトラブルや事故もありません。来年は、もし実現可能であれば、この人の多さを生かし、来場者の皆さんが参加できるようなプログラムも取り入れてみたいですね」

お祭り当日の快適さを守る、ゴミ・清掃担当の工夫

お祭り当日の快適さを保つのが、ゴミ・清掃担当です。まつりには多くの夜店が出展するため、ゴミステーションやゴミ集積場の設置は、ただ置くだけでなく、人々の動線や出店者の数を踏まえて綿密に決められています。

 

清掃担当・横溝純一理事(以下、横溝理事)

「ゴミ・清掃担当は、ゴミステーションやゴミ集積場の場所選定、そして出店者が決まり次第、ゴミ箱の数や配置を決めていきます。来場者、お店、そして清掃スタッフにとって効率よく運営できるようにするにはどうすれば良いかを熟考しながら取り組んでいます」

 

そう語るのは、ゴミ・清掃担当の横溝理事と菊地理事。彼らが目指すのは、「お祭りの前よりもきれいにしよう」ということです。お祭りの夜は業者の方々が夜通しで商店街を清掃し、翌朝には理事たちが最終チェックをしながら残ったゴミを拾い、街を“いつもの麻布十番”に戻していきます。

 

横溝理事「2日間で延べ約100名の清掃スタッフさんにお手伝いいただいています。お祭りの後にスタッフ全員で集まり、事故なく終えられたことを確認してひと安心。『雰囲気も人もすごかった』『楽しかった』『来年もぜひ声をかけてください』と言っていただける瞬間は、とても嬉しいですね。来場者の皆様にも、ゴミの分別や削減に積極的に協力していただけると、さらに快適な祭りになると思います」

 

“ほほえみの街・麻布十番”と商店街が掲げるように、納涼まつりの2日間は一年で最も笑顔があふれる時間。その笑顔を守るため、クリーンで環境に優しいお祭りを目指して清掃活動を続けています。彼らの存在があってこそ麻布十番納涼まつりは成り立ち、次の世代へとつながります。

時代の変化に寄り添いながら、警備担当が安全・安心を守る

まつりを笑顔で終えることができたのは、安心と安全があったからこそです。警備担当は、事故が起きないよう、祭り中ずっと通りの整備を行っています。

 

警備担当・岩﨑信彦理事(以下、岩﨑理事)

「車両通行止めでも、自転車や電動スクーターが入ってくることがあり、周囲に呼びかけながら誘導するのは大変です。また、夜店の安全管理も重要で、許可のない商品を販売する店舗には注意しました。従わないケースへの対応は今後の課題です」

 

交通整理だけでなく、出店者のルール遵守も重要です。ハプニングはありましたが、大きなトラブルなく終えられ、達成感を得られたと警備担当・中村大輔理事は話します。さらに、近年の厳しい暑さの中でも体調を崩す人が出ないよう、さまざまな工夫も行っています。

 

岩﨑理事「夏は年々暑さが増しているため、各警備所に飲料水や保冷剤を配置しました。救護者は出ましたが、大事には至らず安心しました」

 

岩崎理事も語るように、夏の厳しい暑さはまつり運営に影響します。時代の変化にも柔軟に対応しながら、人々の安全を守るのが警備担当の役割です。これを実行できるのは、長年の経験と積み重ねがあるからだと坂巻理事は言います。

 

岩﨑理事「麻布十番納涼まつりは、商店街組合員をはじめ、地域住民や行政機関など、多くの方々の支えで成り立っています」

 

大きな事故やトラブルを防ぐための行政連携も、理事や執行部と共に長年続けてきたものです。家業を抱えながら無償で祭りやイベントを支える理事たち、そして現場で奮闘する警備部隊の尽力があってこそ、麻布十番納涼まつりは無事に幕を閉じることができました。

 

 

一大イベントの納涼まつりも、人手不足が今後の課題

このように多くの部隊や人々が関わる麻布十番納涼まつりですが、人手不足は大きな課題のひとつです。

 

夜店部・須﨑雅紀理事(以下、須﨑理事)

「2日間で30万人の来場客という規模に対して、運営スタッフの人数が十分でないのが現状です。今後も納涼まつりを続けるには、この体制を見直す必要があります」


須崎理事は、大きな事故もなくクレームも少なく終えられたことを喜びつつ、今後の課題について語りました。

 

交通部・酒井紀行理事(以下、酒井理事)

「交通部もお祭り当日だけではなく、2週間前から商店街で安全にお祭りが行われるための準備を行い、陰ながら、お祭りを順調に進めるために努力しています」


そう話すのは、交通部の酒井理事です。交通部はお祭り開催の2週間前から通行止め箇所や臨時駐車場に看板を設置し、特に危険な場所には商店街の裏通りや中央分離帯を活用して対応しています。また、台風の発生時には看板が倒れないか随時確認するなど、事前の細かいチェックも欠かしません。こうした地道な準備が積み重なり、麻布十番納涼まつりは安全に開催できます。

 

乗り越えるべき課題はあるものの、今年の成功を踏まえ、来年も多くの方に来場者として、そして運営側として参加していただき、より笑顔あふれるお祭りになることを願っています。

「第59回 麻布十番納涼まつりを終えて」麻布十番商店街振興組合理事長 平野 一夫

「本年で麻布十番納涼まつりも59回目を迎えることができました。今年も多くの方にお越しいただき、大盛況に終えることができました。

麻布十番商店街では一年を通して季節ごとにさまざまな催しを行っておりますが、その中でも夏の納涼まつりはビッグイベントです。地元の方をはじめ、広域から毎年30万人以上の来場者がいらっしゃいます。その2日間を事故や怪我なく運営するため、麻布警察署とガードマンが一日500人の体制で警備し、麻布消防署には救護所を5か所設けていただき、地下鉄には出入口を一方通行にしていただき、みなと保健所には食の安全面でご協力いただくなど、多くの皆様の力をお借りして開催しております。また、放置されたゴミも、まつり終了翌早朝に役員による清掃活動を行い、商店街の美化を保っています。

麻布十番納涼まつりは、施設内で行うイベントと違い入場制限ができないため、場内は混雑し、ゆっくり夜店を楽しめないこともあります。しかし近年では、六本木ヒルズ夏祭りと同時開催することで、人の流れがよりスムーズに確保できるようになりました。

我々理事一同は、半年前から準備を始め、開催中も気を緩めず運営にあたっています。無事に終えたあとにはホッとすると同時に、お客様の「来て良かった」という声に癒やされます。麻布十番納涼まつりが、皆様にとって夏休み最後の良い思い出となりますよう願っております。

結びに、納涼まつりに携わるすべての協力団体の方々に御礼申し上げます。そして、地域の皆様のご理解とご協力に心より感謝申し上げます」

 

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