麻布十番の店主が語る 十番ばなし #020 「おしゃれの店 フクヤ化粧品店」 藤﨑和子さん | 麻布十番商店街

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麻布十番の店主が語る 十番ばなし #020 「おしゃれの店 フクヤ化粧品店」 藤﨑和子さん

店の名前は知らなくても、パティオの横にあるお店といえば、ああ、と誰もが思い当たるのがこのフクヤ化粧品店。ガラス張りのきれいな店構えからは想像しにくいけれど、創業100年という長い歴史をもつ。店を長年切り盛りする3代目の藤﨑和子さんに、お店のこと、麻布十番の街のことをお話しいただいた。

 

 

 

どんなお客さまにも同じように 接するのが母の教え

 

―100年続く貴重なお店ですね、和子さんの代になるまでのお店の経緯を教えてください

 

最初は祖父が、バッグや財布を扱う“袋物”のお店をやっていたんです。それが戦後の昭和23年、母が化粧品店にしました。戦争が終わって、女性がこれから求めるものは何だろう、と都電でぐるりと東京を周って、これからは〝美〟への欲求が高まると感じ、母は業種を決めたようです。
最初から私に店を継がせようと考えていたようで、中学生の時に母から50万円を渡され「タクシーで仕入れに行きなさい。このお金を使い切るまで帰って来ちゃいけない」と言われて。事前に取引先に連絡をしていたようでした。そうして仕入れてきた品物でしたが、これがなかなか売れなくて。どうしたらいいか考えた末、「あの人にはこれを、この人にはこの品を」というようにお客様を具体的に想定して仕入れ、自分で商品を勧めるようになり、それからは売れました。その仕入れのコツをつかむまでに、母が私のために払った授業料は大変なものだったでしょうね。その後は大学に行き、卒業後、自然に店を継いでいました。

 

 

 

―子供の頃から経営の英才教育を受けたんですね。そんなお母さまから引き継いだことと、和子さん自身がお店の運営で心がけていることは

 

母には、お客さまとの話題は化粧品とお天気くらいにすること、深く話を聞くと、個人的な感情が生まれて公平でなくなる。100円買うお客様も何十万円買うお客さまも、一見さんも常連さんもみな同じに接して、と言われました、それは今も守っています。
店が新鮮であることも意識しています。商品や季節感を先取りしたディスプレイ、リニューアルすることもそうですね。仕事で地方などへ行くと何年前のもの?というような古いポスターを貼ってある化粧品店もありますよね。私はよく店の表に出て、外から店を見るんですが、そうすることで自分の店が客観的に見えて、改善したほうがよい点などもわかってくるんです。

 

 

 

 

 

ワクワクする買い物のできる街に

 

―化粧品専門店は少なくなって、今はドラッグストアやコスメショップが多いですが、そういった店との違いは?

 

お茶を出したりやおしぼりを出したり、暑い時はお客様が涼しくなるように、寒い時は暖かくなるようにし、最後はお見送りもして、お客様が笑顔になるよう接客しています。街に人は増えても、化粧品を買う観光客はほとんどいないんですよ、だから地域に密着した店であることも違う点でしょうね。

 

 


―お客さまとの距離感とサービスの加減が麻布十番の街に合っているのかもしれません。街で好きな場所はどこですか

 

やっぱりきみちゃんのいるパティオですね。店からパティオを見ると、フランスっぽい風景、とよくお客さまはおっしゃります。そういえば先日きみちゃんの所が、Pokemon GOのスポットになっていたみたいで、大勢の人が来ていたんですよ。パティオの最大の事件かもしれません。

 

 


―パティオはポケストップでしたか。では街には何か望むことはありますか

 

飲食店以外の物販が欲しいですよね。利幅が小さいせいか、物販のお店が少なくて。生活に密着したお店がもっとあるほうが。やっぱり買い物をしたい店があると楽しさでワクワクするんですよ。今は欲しいものは他の街に買いに行ったり、ネットショッピングを利用してます。もっと買い物の楽しさが味わえる街になればいいと思います。

 

 


―最後に10年後、20年後のフクヤ化粧店について教えてください

 

こんな時代ですから、これからどう変わっていくかわからないですね。今、10年後や20年後のことなんてあまり想像できないです。今のお店を守ることがいちばん大切だと思いますので、一日一日を大切に過ごしていきたいと思います。

おしゃれの店 フクヤ化粧品店

 

おしゃれの店 フクヤ化粧品店

13メーカー以上の化粧品が揃うほか、毎月一度は和子さん自身が仕入れに出かけるという、ヘアアクセサリーやギフト用の雑貨も充実。エステはライトエステからフルコースまであり(5000円~)、メイクや眉カットなどもしてくれる。
和子さんが現在愛用するのは5千円のアルビオン化粧品「ギンザクリーム」です。目下の趣味は、今注目の体操〝自彊術〟だそう。
住所:港区麻布十番2-31-1
電話:03-3451-3355
営業:10:00~20:30
(エステ受付は12:30~18:30) 火曜日定休日
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