十番ばなし
―セレブにも人気のお店ですが、オープンしたのはいつ頃でしょう。その頃と今ではどんなところが変わりましたか
秀子さん：麻布十番にできたのは1985年ですが、その前は日本橋三越前で25年くらいやっていて、銀座にお店があったことも。地下鉄がなかった頃で、十番は古いお店が多く、一つの空き物件に人が殺到して、借りるのが大変でした。
30年の間にはターゲットやお客様、商品の価格などが変わり、通販やネット販売などもやりましたが、今は地道に麻布十番で店を続けるのがＭ.ＲＯＭＡＮに合うんじゃないかと考えています。
それと今年から娘の真奈美に店を引き継いでいこうというのもあり、名刺の肩書を取締役社長からデザイナーに戻しました。名称も株式会社Ｍ．ＲＯＭＡＮでなく、麻布十番Ｍ．ＲＯＭＡＮとしています。今までヨーロッパからファッションを輸入して発信しよう、とカッコよくやっていましたけれど、これからは麻布十番で少しずつ、Ｍ.ＲＯＭＡＮのオリジナルを“made in heart”として発信していこうという考えに変わったからです。
―ワールドワイドでオリジナルな視線は商品に表れていますね。セレクトの際には何を意識しているのでしょう
秀子さん：オリジナルはもちろんですが、海外ブランドもアイテムも、日本でＭ．ＲＯＭＡＮにしかないものというのを意識しています。
真奈美さん：他のお店では売れないような物でも、うちのお客様なら必ず売れるからと海外から買いつける物もあります。同じブランドの物を扱っていても、他店にはない商品は多いです。そういう商品はブログに写真を載せれば、店頭に並ぶ前に予約で完売してしまうんですよ。
―Ｍ．ＲＯＭＡＮは麻布十番に３店舗あり、街のファッションイメージを担っている面もあると思います。この街で展開した理由を教えてください
秀子さん：麻布十番に住んで40年くらいになりますが、日本橋や銀座にお店がある時も、食事も用事もほぼ十番でしていて、この街で店をやるのが自然でした。以前、ある女優のお客様が、「どこに行っても十番に帰りたくなって、帰るとほっとするわ」っておっしゃっていらしたんですけど、最近その気持ちがよくわかるようになりました。Ｍ．ＲＯＭＡＮを育ててくれた街でもあり、改めてこの街が好きだなと思えます。
―ファッションの観点から見るとこれからの麻布十番はどうあってほしいですか
秀子さん：もっとファッション関係のショップができてほしい。カッコいいお店が増えると、もっと街に来るお客様が増えると思います。でも儲けるだけが目的では、この街から撤退していく気がします。商売が難しい街なのかもしれません。Ｍ.ＲＯＭＡＮと同じスタイルではなく、ほかにはないお店というような“オンリーワンショップ”がどんどんオープンしてほしいです。
真奈美さん：麻布十番は新しいものも常に入ってくるけれども、古いお店とうまく共存している。だからそのバランスをこれからもうまくとりながら進んでほしいですね。
―ではＭ．ＲＯＭＡＮの夢と目標は？
秀子さん：日本では麻布十番の街でこのままモノづくりをし、海外にも出店したいと思っています。海外進出の手始めに、今年はＩＦＦ（インターナショナルファッションフェア）にオリジナル商品で参加しました。パリとニューヨークにもブースを出展する予定です。
将来の夢は、「麻布十番にビルを建てる」と願う、真奈美の建てたビルに住まわせてもらいながら、海外と麻布十番を行き来します。そして麻布十番の街が大好きな母・しずえの「ハハハ、ホホホ、フフフ」という笑顔のあいさつを見習って、自分が楽しむのを忘れずに、努力をして夢をかなえたいです。
Ｍ．ＲＯＭＡＮ
麻布十番に３店舗を展開するセレクトショップ。オリジナルもインポートもかっこよくて個性的な商品がそろい、セレブにも支持されている。ELISABETTA FRANCHI、Lucien pellat-finetなど、他店ではお目にかかれないブランドが手に入るのも楽しみ。メンズ、子供服、ギフトなど幅広く扱う。
Part１：港区麻布十番2-19-1
TEL：03-3452-9040
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Part２：港区麻布十番1-5-18
TEL：03-6434-0677
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8hacci：港区麻布十番1-5-18 8Ｆ
TEL：03-6434-5018
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12：00～20:00 無休
